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地球人として生きる

地球人として生きる

Lagos, Nigeria

Lagos, Nigeria





2006年4月訪問。

西アフリカのマーケティングを考えたとき、最初に来るのはナイジェリアです。 それ以外に浮かばないという話もありますが。。。 人口は約1億4千万人とアフリカ随一で石油資源に恵まれた国です。 サブサハラで唯一OPECの加盟国(あとはアンゴラ)でGDPのほぼ9割を石油に頼っています。 

政治的にはこれまで何度もクーデターがおこり、250以上もあるといわれる民族対立もあり不安定。 石油施設の爆破や誘拐なども多く治安が非常に悪い国となっています。

あまり行きたくない国ではありますが、やっぱり行って見たいという気持ちもあり、何より将来大きなマーケットになる可能性があるのではないかという臭いがしましたのでとにかく理由をつけて渡航することにしました。

さて、この国へ渡航するには査証(VISA)が必要になります。 ただしその査証獲得のためには黄熱病の予防接種が必要なのです。 この予防接種、かなり怖いです。 生ワクチンを体内にInjectionするのですが、効用は10年と半端ではありません。 通常摂取後1週間は微熱が続き、なかには体調を崩す人も出るようです。 当然どこでも接種できるわけはなく、検疫所等限られた施設へ前もって予約を入れて出向かねばなりません。 接種費用も1万円以上とかなり高価。

これをクリアすると通称"イエローカード”という黄色の接種証明書が発行され、査証の申請書類と一緒に大使館へ提出します。 ナイジェリアの査証を獲得するには他にも書類が必要です。 ビジネスで渡航するには先方からの招聘状や会社の推薦状など。 観光の場合、現地滞在日数ぶんのホテルを予約した確認証と滞在日数 X USD300(確かこのくらいでした)のトラベラーチェックが必要となります。 つまりとても面倒なのです。

特にトラベラーチェックは困ったものです。 滞在日数にもよりますがあらかじめ大金を両替しなければならないのです。 それともう一つびっくりしたのがホテル。 高い!!! 発展途上国ではよくあることですが、どうやらナイジェリアでも外国人には特別(高い)レートが適用されるようで、それなりのホテルで一泊USD350くらいします。 場所が場所だけに安いホテルに泊まるのは危険なので仕方なく払います。 結局WEBで予約だけ取って確認証をプリントアウトし、すぐにキャンセルしてやりました。 手間のかかるのはこれらの書類ですが、申請書類そのものにも多くの質問事項があり一つ一つ記入しなければなりません。 

さて、実は嫌な噂を聞いていました。 大使館の職員が平気で賄賂を要求することが過去に何度もあったようです。 気分次第で申請を拒否されるなどひどい目に遭った人から話を聞かされており少々不安だったのですが、私の場合本人による個人申請ではなく旅行会社からの申請だったので難を逃れることができたのかもしれません。

ナイジェリアへはドイツ経由でルフトハンザ航空を利用することにしました。 フランクフルトでまずは1泊することになります。 ザクセンハウゼンの行き着けの居酒屋で楽しくドイツ料理に舌鼓を打ちます。 

翌日ラゴス行きの搭乗Gateへ行くと様子が違います。 この一角だけ黒人だらけでかなり怖い人相の人が多くいます。 座席へ行っても同様。 機内の匂いがいつもと違います。 

ラゴスの空港では案の定多くの人がCustomで鞄を開けられていました。 こういった国ではスーツケースに品物を忍ばせて関税逃れをする商売人が非常に多いのです。 私は機内でしつこく他の乗客から連絡先を聞かれてうんざいしていました。 一緒にビジネスしよう、といったようなお誘いです。


さて、ようやくLagos到着。
入国審査はスムーズにいきました。 しかし出口まで来てびっくり。 車両の侵入が規制されており、建物の前は車待ちの人だらけです。 日本からホテルへ電話をして迎えのタクシーを呼んでおいたのですが着ているのでしょうか? とても不安です。 念のためドライバーの携帯電話番号を聞いておいたのですがひどいナイジェリアアクセントの英語と、ブチブチ途切れる回線のせいで本当に正しい番号を聞いたのか自信がありません。 

恐る恐るその番号に電話をしてみると繋がりました! どうやら入口が規制されているので近くの駐車場で待機しているとのこと。 難なくドライバーと会うことができました。 なんだか奇跡のようです。 ここで取り残されると恐ろしいですね。

車は一応メルセデス。 70年代のSクラスです。 つまり超ボロ。 計器は全て死んでいます。 ただしエアコンは動いていました。 これには大助かり。 Lagosは蒸し暑いですからね。 これからホテルまで約1時間かけてドライブです。 夕方の時間帯でしたのでいたるところで仕事を終えて家にかえるNigerianたちが路上に溢れています。 彼らはワンボックス車を改造したコンビと呼ばれるミニバスを待っているのです。

ナイジェリアのミニバスは黄色に統一されています。 日本から輸入された中古車がベースです。 これに乗れるだけ乗り込みます。 運転はめちゃくちゃで南アのそれと良く似ています。 ただし南アとは比べ物にならないくらい人が多いので事故が多くとても危険です。

宿泊したホテルはEko Hotel and Suiteというホテルで海の近くにあります。 高い割りに古びたホテルで部屋も汚い。 壁にはしみがいっぱい。 湿度が高いせいかカーペットもなんだかカビ臭い感じでかなりツライ体験でした。 
ホテルの周りにもとにかく人が溢れています。 どこへ行っても人だらけのLagosですが、車の窓越しから道を尋ねてもみんな親切に答えてくれフレンドリーでさえあります。 見た目はかなりヤバイ雰囲気なのですが南アやジンバブエなどと違って人々にそれほど殺気だった様子はありません。

お客まわりをするための車のハイヤー代は1日USD100と現地の水準からするとかなり高め。 ケニアやタンザニアではUSD65程度でした。 なんだかこの国は外国人にふっかけるのがみんな得意なようです。 しかし運転手がロクに道を知らないことが発覚。 いい加減なものです。 そう、ここはアフリカ、TIA, This is Africa。 想定内と割り切って行かないと精神的に持ちません。

しかしそんなドライバーでも高級住宅地の場所は知っています。 他とは見違えるような雰囲気の大邸宅が集まっているところがありました。 他の国々との違いといえば警備レベルでしょうか。 普通、塀の上にはCCTVだったりセンサーが設置されているのですが、こちらでは有刺鉄線というフィジカルなもの。 おかげて見た目はかなり悪いです。 このようにローテクで物理的に外部からの侵入を防ぐ造りになっているため塀も高くそれにともなって門も高いものがついています。 門も鋼鉄の扉でとても頑丈そうです。 かなり警戒していますね。

さて現地での食事ですが、夜出歩くのは危ないのでホテル内のレストランで済ませます。 地元のもので何か良いものはないかと思ったところSTARというビールが有名だというのがわかったのでトライしてみました。
これがナカナカウマイ。 ちょっとびっくりです。 中瓶サイズで150円程度だったと思います。 もちろん日本では見たことがありません。

最終日には中華レストランへ行って見ました。 ここナイジェリアでも中国人を多く見ることができます。 本当に彼らはどこにでもいます。 建物も立派で竜の大きなデコレーションが施してありかなり目立ちます。
料理の味は当然のことながら今ひとつ。 Too badではないというレベルです。 ただし値段は日本とあまり変わりません。 ビジネスマンか現地ではお金持ちの一部しか利用できないでしょう。 びっくりしたのはクレジットカードが使えないことです。 ナイジェリアの通貨ナイラか米ドルのCash Onlyというわけです。
ところが偶然私は人民元を持っていました。 「ここは中国人がオーナーの中華レストランだろ? 人民元ならいいだろう」と冗談で交渉してみました。 するとナイジェリアの人たちには人民元が珍しいのかウエイターが全員お札見たさに私のテーブルまで集まって来ました。 その他日本円や南アのランドなどいろいろな通貨を持っていたので変に盛り上がってしまいました。

ナイジェリアの通貨について最後に少しふれておきます。 ナイラという通貨が使われており勿論日本では両替できません。 USドルはどこでも通用しますので基本的に米ドルをCashで持っていれば問題はないのですが、場所によってレートが大きく違います。 またホテルではかなりあくどいやり方をしています。 チェックインの際Depositと称して滞在日数全額分+αをUp frontで納めなければなりません。 査証取得のために買う羽目になった米ドルのトラベラーチェックで支払おうとしたのですが、もし余りが出たらその分はドルで返金せず現地通貨で返金すると言います。 帰る前にナイラでもらっても仕方ないのでなんとか+αの分は50ドル分程度に負けてもらいました。 最初は100ドルなんて言われていました。

こういった国へ単身で行くと勝手が違うことが多かったり、理不尽なことが多かったりしますので非常にストレスがかかります。 「そういうモノ」と割り切って対処できることが大切ですが、外国人は常にタカリの対象にされるので注意が必要です。 しかも制度としてタカリが機能している(ホテルの二重レートなど)場合があり、将来の発展を考えると疑問に思えてしまいます。 変にホテル代を上げず、査証も簡単に取れるようにして外国からの旅行者をもっと積極的に受け入れることは考えないのでしょうか。 その方が結果的にはその国に落とされるお金が増えるのではないでしょうか。 そうはならないところをみるとやはりこういった制度で直接恩恵を被る個人や団体が影響力を持っているのでしょう。 

ビジネス面で多くのポテンシャルを持っている国々がブレイクしない共通点としてはまさに権力構造が経済活動の発展を阻害している場合が多いと思います。 本当に国の発展を考える人たちが増えない限りこういった国はリスクを持ち続け外国からの資本参入は難しいでしょう。


次回訪問する際にはぜひ首都であるAbujaへ行って見ようと思います。 ただし飛行機だけは気をつけて。 つい先日も墜落事故がありましたがナイジェリアでは頻繁に事故がおこります。 Lagos-Abuja間はおそらく国内の危ない航空会社しか運行していませんから一旦フランクフルトまで戻ってルフトハンザあたりでAbujaへ直接入ったほうが良いかもしれません。 




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